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レイテンシーに基づくZIAサービス エッジの動的な割り当て
Zscalerは、エンド ユーザーのエクスペリエンス改善に注力しています。ユーザーの自宅のネットワーク環境はそれぞれ異なるため、多くの企業が場所を問わない働き方やハイブリッド ワークを採用し始めて以降、Zscaler Client Connectorにインテリジェントな手法を実装し、レイテンシーが最小となる最適なサービス エッジを選択できるようにすることが不可欠になりました。このような機能強化を行うことで、エンド ユーザーのエクスペリエンスが大幅に改善するとともに、サポート チケットの数を最小限に抑え、管理者の作業負荷を軽減できます。
Client Connectorは、PACファイルで構成されたサービス エッジにユーザーを接続します。管理者は、ZIA Public Service EdgeをPACファイルに手動で追加するか、Zscaler固有の変数である$ {GATEWAY}や$ {SECONDARY_GATEWAY}によって地理的な距離に基づいてユーザーを接続できます。Zscaler Client Connector 4.2より前のバージョンでは、プライマリー サービス エッジが到達不能になった場合に限り、セカンダリー サービス エッジにフェイルオーバーを実行していました。つまり、プライマリーへのトンネルが稼働していて、そのデータ センターでレイテンシーの問題が発生した場合、セカンダリー データ センターでより良いパフォーマンスを提供できる場合でもフェイルオーバーを実行していませんでした。
この制限を克服するために、Client Connector 4.2に新たな機能が追加され、プライマリーとセカンダリーのサービス エッジに対するHTTPベースのプローブを常時実行できるようになりました。Zscaler Client Connectorは、最初の1バイトを受信するまでの時間(TTFB)で両方のサービス エッジ間のレイテンシーを比較します。その後、プローブ間隔のしきい値とプローブのサンプル サイズのパラメーターに基づいて、フェイルオーバーを実行できます。Zscalerは、すべてのトラフィック転送方法でこの機能に対応しています。具体的には、ローカル プロキシを使用したトンネル、トンネル1.0、トンネル2.0です。トンネル1.0では、Client ConnectorがHTTP CONNECTによってPublic Service Edgeに接続し、407 (プロキシ認証)レンスポンスを受信してレイテンシーを計算します。トンネル2.0では、HTTP GETによってhttp://gateway.[cloud].net/generate_204へのレスポンスを受信してレイテンシーを計算します(図1)。
図1
切り替えの基準は、管理者によって完全に制御されます。Client Connectorポータルでこの機能を有効にし、プローブ間隔、プローブのサンプル サイズ、しきい値制限という3つの主なパラメーターを構成できます(図2)。プローブ間隔は、プライマリーとセカンダリーのサービス エッジに対してプローブが行われる頻度を決定します(最小値は0.5分、最大値は10分です)。プローブのサンプル サイズは、プライマリー サービス エッジからセカンダリー サービス エッジへ、またはその逆にフェイルオーバーを実行するために必要な精度を決定します。フェイルオーバーを実行するには、連続するn回のすべての試行(管理者によって設定された値)がしきい値を満たす必要があります。最後に、しきい値制限は、フェールオーバーをトリガーするために必要なプライマリーとセカンダリー間のレイテンシーの差分の最小パーセンテージを表します。
図2
図2は、この機能の仕組みの説明として、プローブ間隔=60秒、プローブのサンプル サイズ=5、しきい値制限=50を示しています。Zscaler Client Connectorはこの構成プロファイルに従って、プライマリーとセカンダリーのサービス エッジに対してHTTPベースのプローブを毎分実行します。次に、すべてのプローブのTTFBに基づいてレイテンシーを計算します。セカンダリー サービス エッジが5伝導時間(プローブのサンプル サイズ)でプライマリーよりも50%以上(しきい値制限)良好なレイテンシーを示した場合、Client Connectorはセカンダリー サービス エッジにフェイルオーバーを実行します。Client Connectorはセカンダリーに切り替えた後に毎分同じテストを実行し続け、プライマリーのパフォーマンスが向上すると、プライマリーに戻します。最後に、フェイルオーバーの基準が満たされると、パフォーマンスを向上させるために接続が別のデータ センターに切り替わったことがエンド ユーザーに通知されます。
図3
この機能をテストおよび検証するには、高レイテンシーとパケット ロスのシミュレーションを行えるClumsyなどのサード パーティー ツールを使用することをお勧めします(図4)。こうしたツールを使用すると、遅延負荷やパケット ロスを付加し、特定の宛先の帯域幅を調整できます。たとえば、ベータ クラウドのプライマリー データ センター宛ての接続に200ミリ秒のレイテンシーを付加したり、20%のパケット ドロップを発生させたりして、セカンダリーへのフェイルオーバーのシミュレーションを行えます。
図4
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